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白いステッキと青いTシャツ

追加公演2daysの1日目
開演ギリギリ、新横浜の駅からアリーナに向かう道の途中
母親に手を引いてもらい
僕と同じく小走りでライブ会場に向かう一人の少年を見かけた

年齢の割には渋すぎるサングラスをかけている彼が気になって目で追ってしまう
そこでようやく理解した
彼の手には目の不自由な方が使う、白いステッキが握られていたのだ

完全に面食らってしまった

恐らく彼には3人のダンスも、表情も
スクリーンの映像も、場内を飛び交うレーザーも見る事は出来ない

それでも彼は「Perfumeのライブに行きたい」と思って
チケットを取り、母親にアテンドしてもらい
僕らと同じように横浜に来ていたのだ

極端な話、音楽だけならCDで代用できる
それでも彼は生で、Perfumeと空間を共有したいと思ったのだろう

僕は、Perfumeというアーティストの「本質」を垣間見た気がした

ダンスもビジュアルも音源も演出も全てを差し引いたところで残る本質
僕の陳腐な言葉ではとても表現しきれないけど
「それ」は間違いなくあって、あらゆる人を惹き付けて離さないんだろう

彼はファンクラブ会員限定の青いTシャツを着ていた
願わくば次のツアーでまた彼の姿があって欲しい
僕なんかよりずっとPerfumeの本質を知っているだろう彼と
Perfumeの話をしてみたい


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Comment

| | 2009.11.01 00:21
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ぱつゆか | URL | 2009.11.01 10:27
この記事を読んで鳥肌がとまらなかった。

Perfume、本質・・・本質だけで人を惹きつけて離さないのか。そうだったのか。皆その虜だったんだ。

パーフェクトスターだ。
| URL | 2009.11.01 16:43
その本質って、私はこう思うんです。
”自分が生きてていい理由”じゃないかと。

たぶん3人も同じ事を感じてるんじゃないかと思うんです。
それは言語になる前の心の深層に存在する感情。自己同一性。
GoGo | URL | 2009.11.06 21:25
はたして、目の悪い彼にはPerfumeから何を感じているのでしょうか?
音楽性?パーソナリティ?ライブの一体感?
僕も興味があります。
| URL | 2009.11.08 02:38
自分も追加一日目公演後、二人白いステッキを持った方を見ました。

お二人とも青年といえるくらいの年齢で、満たされた表情をしていたのがとても印象的でした。
neodaio | URL | 2009.11.10 04:42
ちょっと考えてみたのですが、視覚は健常で聴覚を完全に失っている方でperfumeのライブを観にきている人もいると思います。眼や耳は入力装置で「本質」を感じるのは魂(脳と言ってしまうと身も蓋もないので)です。宇多丸さんの「これがわかんないようなやつとは音楽の話したくない。これを否定するってことは、おまえには音楽が聴こえてないってことだ」 耳は聞こえても音楽は聞こえないって事ですね。逆に耳は聞こえなくても音楽が聞こえている人が存在しても不思議ではないです。ベートーベンの例もあるし。視覚障害者にしても健常者の勝手な想像とは裏腹に視覚に影響されない「本質」に忠実なPerfumeを感じているのではないかと思います。障害者の方は障害の部位を問わず「不便ではあるが不幸ではない」と言います。強がりではなく多分ほんとです。
ハムの子 | URL | 2009.11.18 17:16 | Edit
私はPerfumeにアホみたいにはまっています。きっかけは,YouTubeに転がっていたPerfumeの動画でした。まあ,かわいい子が唄って踊るだけの映像なのですが,大げさに言うと魂を揺さぶられるような衝撃を覚えました。PCの画面上の手のひらにもみたない大きさの映像から,何か,とてつもない何かがほとばしっていいるような感じがしました。画面の子たちは基本的に楽しそうであり,ケラケラ笑ったりしているだけなのですが。

私は目も見えるし,耳も聞こえるので,まさしく,視覚と聴覚をもってPerfumeの虜になったわけです。では,そうでない人たちが,Perfumeを好きになり,ライブに足を運ぶというのはいったいどういうことでしょうか?

ご存知のとおりライブには足が不自由な人たちもたくさん来ています。
ライブに行けば必ず見かける光景です。QuickJapanのPerfume特集号でのサンシャインシティの記念撮影にも車椅子の人たちが何人も写真の最前列に納まっています。

大阪城ホールでのことですが,
ライブ会場への入場口へ続くアプローチはゆるい階段になっていて,そこそこの段数を登るんですが,そこに,ツアーTを着た女の子と,同じくツアーTを着た男の子が,手すり沿いにゆっくりと階段を登っていました。その女の子の足は,自立することのできない足で,両手に専用の補助器がないと歩けない足でした。それに気づいたとき,一瞬びっくりしましたが,私は私の速度で彼らの横をとおりすぎることにし,その刹那,彼女の顔をチラッとみるかみないかくらいの顔は,白く輝き,光っているような感じがしました。

いろいろな人たちが,いろいろな事情のもと,たかだか3時間そこそこのライブのために,チケットを手に全国からライブ会場を目指して集まって行く。その一事だけをとっても,説明が難しいです。何かとんでもない感じがします。
坂本龍 | URL | 2009.11.18 23:24
『聞く』には、耳しかない。
『聴く』には、耳も、目も、そして、心もある。

音楽と、その力、そのMAGICに、感謝。
ふくろう | URL | 2009.11.20 22:19
宇多丸×掟対談に「最終的に人柄に行き着く」と、書いてあった気がします
生身のPerfumeからのアウトプットはライブでしか得られないかも知れませんね
きっと健常な僕達より敏感な人達は、低音を体で感じMCを聞く事で生身のPerfumeを得る事が出来るのでしょう
同時に同じファンとして周りから熱さと優しさも感じて発散していると信じてます
neodaio | URL | 2009.11.21 03:13
過去40年くらいポピュラー音楽でハマって聞き込んだアーティストは結構おりますが、
Perfumeはそのどれとも似ていません。この異質感は何なのだろうと、ずっと疑問でした。
最近、答えらしきものがちょっと解ってきました。ミュージシャンに対する熱狂は例えば
E・プレスリーは性的なアピール。ビートルズは純粋に音楽に対して。M・ジャクソンはアイドル(偶像)と、云った感じで芸能人とファンの関係に留まっています。まあ、仰ぎ見る感じです。
政治家(統治者、君主)に対する熱狂はワンランク上で宗教的熱狂に似ています。中国では歴代皇帝を「天使様」と呼んで天の使いとして敬った。いわゆる神の代理人ですね。平伏す感じ。
Perfumeに対する熱狂はやや宗教的熱狂に近いものを感じますが、形態として全く宗教的ではない。教義もないしカリスマも存在しません。カリスマに注ぐエネルギーは全て対象に吸収されるがPerfumeを好きになって注ぐ「好き」「愛おしい」のエネルギーは変質して自分に還ってきます。
「無限の可能性を持ったヒトに生まれてきても可能性を伸ばそうとしない怠惰な自分」
「周りの目を気にして萎縮して、衣食住のみに生きる自分」
「与えられているものに対して感謝を忘れている自分」
「未来を気に病み、他人を疑う自分」
激しく自らを省みるエネルギーとして自分に降り注ぎます。プロジェクトPerfume恐るべし。
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